結論
職業訓練が批判されたり、低く見られているのは、そういう記事を書いた人がそうすることによってお金を稼ぎたいからです。
職業訓練を悪く言う→民間の講座を紹介する、転職サイトを紹介する
これはワンセットです。
特にIT系の場合目立ちます。
なぜなら、IT系の講習は、記事を通して受講者を紹介すると、記事を書いた人にお金が入る講座や講習がたくさんあるから。これをアフィリエイトと呼びます。
転職サイトであれば、登録するだけで報酬が発生する場合もあります。
ただこれだけです。
例外として、職業訓練は熟練の実務経験者のためのものではありません。そのような人にとっては、職業訓練は役に立たないし、レベルも低いとなってしまうと思います。
確かにレベルの低い職業訓練もある
残念なことにレベルの低い職業訓練もあります。
IT応用なんて立派な名前がついているのに、学習することはワードやエクセルだけなんて講座まであります。
しかし、まったく役に立たないかというとそうではなく、若い人、特に女性ならば、事務職に就職することができます。
人にはそれぞれ知的レベルや学習能力のレベルがあります。
単純な事務作業が精いっぱいの人から、エンジニアでバリバリ働く人までいます。職業訓練はいろいろなコースが用意されており、受講者が自分に合ったコースを選択するのです。
決して役に立たないということはありません。
事務がやりたい人は、事務のコースを選択すれば良いし、エンジニアがやりたい人は、プログラムやネットワークまたはWEBなどのコースを選択すれば良いと思います。
職業訓練受講者のレベル
職業訓練受講者のレベルは訓練によって変わります。
高校新卒の人達がたくさんいる訓練もあれば、最低限のスキルを持った人が多く集まる訓練もあります。私が通ったIT系の訓練は後者でした。
授業開始前の10分間でタッチタイピングの練習はしますが、パソコンの使い方がまったく分からないというような人は一人もいませんでした。
文字入力や検索などは最低限できる人しかいませんでした。
IT系のプログラミングの訓練なのでこのくらいは当たり前ですね。IT系の場合、訓練内容のパンフレットを見れば訓練内容は分かります。プログラム、WEB系、ネットワーク系などは、パソコンがまったく使えない人はついていくのは厳しいでしょう。
これは民間の講座でも同じで、スマホに頼り切りでパソコンを普段ほとんど使わないような人は、相当な努力をしないと授業についていくことすら難しいでしょう。
職業訓練の場合、受講する前に自己申告制のスキルチェックのようなものがあり、そこそこパソコンを使える人だけ集めたものと思われます。パソコンが使えないような人は、申し込みの段階で、ハローワーク側が申し込みさせないこともあるようです。
プログラマーではありませんが、IT業界で働いていた人も何名かいました。
私も含めてですが、少しはプログラムが分かる人もいました。当然仕事として使うにはまだまだのレベルで、訓練を受講して少しはマシになりましたが、まだまだのレベルのままでした。
それでも卒業生の中には何名かプログラマーになった人もいるようです。IT系で働くためにも、卒業後も勉強を続けるというのが最低限の条件ですね。
職業訓練の内容や難易度
訓練のレベルは訓練の内容によります。
プログラムやWEBなどのIT系は、それなりのレベルだと思います。あとは、私は受講していませんが、経理や簿記のコースもそれなりの難易度だと思います。
私は実務での経験が乏しいですが、基本情報とITパスポートを持っていますが、訓練のレベルは思ったより高く感じました。
まず朝に10分間タイピングの練習をします。クラスのほぼ全員がタッチタイピングがそれなりにできるレベルです。速度は個人差がありますが。
その後4時間くらい講義を受けます。プログラムの訓練だったのですが、説明が半分、手を動かしてプログラムを書くのが半分くらいでした。
残りの2時間は自習でした。資格の勉強などを訓練時間内でできました。自習の内容は、別に訓練で学ぶ内容でなくても構いませんでした。
講師が言うには、これでも実務ではまだまだ足りないとの事ですが、初級にしてはかなり難しい内容だったと思います。
別に私が頭が悪いというわけでもないと思います。職業訓練がレベルが低いというのは完璧に嘘だと思います。
正確に言うと、レベルが低い職業訓練も多いが、そこそこのレベルの職業訓練もあると言うのが正しいと感じました。
私の先生は元エンジニアでした
私は職業訓練のプログラミングのコースを受験しましたが、先生は元エンジニアでした。
中途半端なエンジニアではなく、かなりいろいろな事に詳しいその道のプロでした。
もう一つ電気設備の職業訓練も受講したことがありますが、こちらは逆に実務経験のほとんどない人が講師でした。まぁ、それでも就職率も高いし、教え方も上手でしたが。
よく民間のIT系の講習をすすめる人の中に、職業訓練の先生は質が悪いなんて言う人も多いです。しかし、よく考えて見てください。
今の時代は淘汰の時代です。
職業訓練では、受講生に受講アンケートなるものを書かせます。この評価が悪いと、その訓練は今後、都道府県から見直しが入ることになります。
別に民間の講習も職業訓練も変わらないのです。
民間なら利益が出なければ潰れるだけです。
ダメなものはダメだから淘汰されていくのです。
職業訓練の利点
職業訓練の最大の利点は、お金をもらいながら学べることです。
失業保険(雇用保険)だけでなく、1日500円最大で合計20000円までの受講手当もあります。この受講手当を貰えば、教科書代もほぼ無料みたいなものですね。
働きながら通うことができないのが最大の欠点です。
雇用保険の制度は少し難しいのですが、1年以上雇用保険をかけて働いていれば、退職後、雇用保険(失業保険)を貰える権利があります。直近2年間で複数の会社で働いても、通算1年以上雇用保険をかけていても貰う権利があります。
雇用保険には、普通の会社ならほぼ社員を加入させています。法律で義務付けられています。分からない人は、自分の給与明細を見てみてください。
自分の給与の額面が約30万だとしたら、毎月1500円~2000円くらい引かれています。2023年時点で給料の0.6%ですね。額面が20万程度なら1000円前後ですね。
貰える雇用保険(失業保険)の額は、自分の給料の額面の5割~8割程度。最大で20万程度。給料が高ければ、5割に近く、給料が10万台半ばとかなら8割に近いです。
凄く良い制度なので、知らない人は調べてみてください。
職業訓練の欠点
職業訓練の欠点は就職先ですね。
ほとんどの場合自分で探して見つけるしかありません。歴史のある職業訓練校で、設備系や介護系などの人材不足の業界に就職を目指す訓練では、職業訓練校に求人が来ます。
しかし、IT系などの場合、最近始まった新しい職業訓練なので、昔から付き合いのある紹介できる就職先などがありません。
私から見ると、その点くらいしか職業訓練には欠点がありません。そもそも学習方法から就職先まで手取り足取り面倒を見てもらっているようでは、就職してから困ります。これからキャリアを築いていくなら、少しは自分の頭で考える力をつけなくてはなりません。
職業訓練は役に立つか
TBC
なぜ職業訓練を誰もすすめないか
金にならないものは、放置されるのが世の常です。
職業訓練を紹介しても、得するのは紹介された側だけです。
紹介した側は、一銭の得もありません。
国の事業なので当然と言えば当然です。
私も、20代前半の時は、雇用保険のことすら知りませんでした。
あまりにもアフィリエイターのやり方が酷いので、少しでも助けになればと思い、この記事を書いてみました。
現状の私の力では、何の役に立たないかもしれませんし、うまくいっても焼け石に水でしょうがw