級ボイラー技士の免許を取得するには、2年間の実務経験が必要です。しかし、1級ボイラーを受験するだけなら、2級ボイラー技士の免許があれば可能です。この記事では、1級ボイラー技士の難易度、参考書、勉強方法、管理人の体験談などを紹介していきます。
【受験概要】
【資格名称】一級ボイラー技士
【受験年度】平成28年度
【試験点数】7割程度?(採点制度なし)
合格点
1級ボイラー技士には、科目が4科目あります。
・ボイラーの構造に関する知識:10問
・ボイラーの取扱いに関する知識:10問
・燃料及び燃焼に関する知識:10問
・関係法令:10問
全40問で6割(24問正解)取れれば合格です。ただし、各科目4割という足切りラインが設定されています。ある1科目で10問中3問以下しか正解できなければ、他の3科目で満点を取っても不合格です。
試験本番では、ボイラーの構造に関する知識とボイラーの取扱いに関する知識の計20問で午前中の2時間。燃料及び燃焼に関する知識と関係法令の計20問で午後の2時間。
合計で4時間の試験です。
試験時間の心配はいらない試験です。分からない問題もゆっくりと考える時間があります。
【難易度】
★★★☆☆☆☆☆☆☆ (3/10 やや易)
ボイラー技士試験の過去の合格率
受験年度 | 1級ボイラー合格率 | 2級ボイラー合格率 |
平成25年 | 55.5% | 58.0% |
平成26年 | 56.8% | 56.9% |
平成27年 | 58.0% | 60.4% |
平成28年 | 60.7% | 58.5% |
平成29年 | 59.4% | 57.0% |
平成30年 | 58.2% | 55.8% |
令和元年 | 52.5% | 50.8% |
令和2年 |
1級ボイラー技士の合格率は、50%台後半です。資格試験の合格率としては、非常に高い部類に入ります。
1級の合格率は、2級ボイラー技士の合格率とあまり変わりません。平成28年からは、1級ボイラー技士の方が合格率が高いです。難易度も2級と1級であまり変わりません。
1級ボイラー技士の方が2級より問われる内容が細かいです。ただ、2級も1級も過去問を繰り返し勉強すれば合格できる試験です。
2級ボイラー技士に合格後、1級ボイラー技士の試験合格を目指す人が一定数います。2級ボイラーに合格しただけでは、1級ボイラーの問題は解けないかもしれません。それでも、2級ボイラー合格後に1級ボイラーの勉強を始めると、スムーズに勉強が進むと思います。
1級ボイラー技士の受験資格と実務経験
1級ボイラー技士の受験資格は、こちらになります。
二級ボイラー技士免許の所持者や高卒以上で1年以上の実務経験がある人が受験可能です。
受験資格は1年の実務経験なのですが、免許申請には実務経験が2年必要です。1年~2年の実務経験しかない人は、1級ボイラー技士を受験できますが、合格しても資格になりません。
勉強時間
期間は96日間、勉強時間は35時間39分
3年前に2級ボイラー技士に合格済みです。ボイラーに関する実務経験は、ほぼありません。ボイラー技士試験は、燃料の問題も出題されます。危険物乙種4類や危険物甲種を所持していると若干有利になります。
受験時の主な所持資格:2級ボイラー技士、危険物甲種
勉強時間の目安
勉強時間の目安は、資格勉強になれていない人で50時間~100時間くらい。2級ボイラーや危険物などの関連資格の合格者で20時間~50時間くらいでしょうか。
試験はマークシート式なので、勉強の仕方によっては、10~20時間程度の過去問の詰め込み学習でも合格可能だと思います。
【受験動機】
管理人の場合、1級ボイラー技士に合格しても資格にはなりません。資格マニアとして1級ボイラー技士の難易度や勉強方法を確認するために受験しました。
ボイラーは仕事でも使っていないので、純粋にこのブログのための受験です。
【参考書】
(1) 1級ボイラー技士試験公表問題解答解説
一番おすすめの参考書です。参考書というよりは過去問です。図が多く使われており、解説もしっかりついています。どれか1冊で勉強するのであればこちらの過去問がおすすめです。
日本ボイラ協会の書籍は、こちらの公式ショップでも購入できます。Amazonは在庫切れの場合があります。必ず定価以下で買いましょう。
(2) 1級ボイラー技士教本
待ちに待った日本ボイラ協会の1級ボイラーの参考書です。ボイラー取扱技能講習を行っている団体の参考書ですので、信頼性はあります。1級ボイラーの参考書は、これ以外の選択肢が少ないです。参考書も併用して勉強したい方には、こちらがおすすめです。
日本ボイラ協会の書籍は、こちらの公式ショップでも購入できます。Amazonは在庫切れの場合があります。必ず定価以下で買いましょう。
(3) 一級ボイラー技士 過去問題・解答解説集
マイナーな資格の過去問も出版されているTAKARA licenseさんの過去問です。上の過去問と比べてしまうと、解説が詳しくありません。ただ、掲載されている過去問の量は多いです。
こちらのサイトにも同じような過去問が掲載されています。解説もほぼ同じという(笑)。どの過去問を使うかは受験者次第です。
(4) 一級ボイラー技士試験 完全研究
1級ボイラーの参考書です。平成17年に出版されたかなり古い参考書です。どうしても1級ボイラーの参考書で勉強したいという方はどうぞ。
(5) らくらく突破 2級ボイラー技士合格教本
非常に分かりやすい2級ボイラーの参考書です。項目ごとに練習問題があり、もう一度CHECK!という重要事項のまとめも使いやすいです。
1級ボイラーの勉強でもある程度使えます。
(6) 一発合格! これならわかる2級ボイラー技士試験 テキスト&問題集
ナツメ社の2級ボイラーの参考書です。著者は、若い学生にボイラーについて教えて、資格試験に合格させているそうです。まったくボイラーについて分からない方にも分かるように書かれていると思います。一問一答や合格のアドバイスなどが非常に使いやすいです。
1級ボイラーの勉強でもある程度使えます。
【勉強方法】
合格を目指すだけの方は、過去問をひたすら繰り返すのみです。
多少理解できなくても、「そんなもんだ」と割り切って暗記しましょう。ただし、丸暗記だけはダメです。理解しようと調べたり、考えたりしながら暗記していきましょう。
管理人はボイラーを扱った経験が少なく、ボイラー試験はほぼ丸暗記です。弁の知識など細かい部分は分かるのですが、実物を見たことがないのが痛いです。
実物を扱っている方は、スムーズに勉強が進むと思います。
過去問だけで勉強すると、どうしても問題と答えの暗記になってしまいがちです。しっかり勉強したい方は、参考書を併用する勉強をおすすめします。
1級ボイラーの参考書は選択肢が少ないです。2級ボイラーの分かりやすい参考書をすでにお持ちの方は、そちらも併用してみても良いかもしれません。
【試験本番】
管理人の1級ボイラー技士の試験本番の記事は、以下になります。

【合格後】
上の写真を見て分かる通り、免許にはなっていません。管理人の場合、一生免許にならないと思います。
合格率が比較的高い試験です。実務経験がある方は、ぜひ受験を検討してみてください。実務経験がない方でも、将来のために試験だけ合格しておくと良いかもしれません。資格は受験できる時に受験した方があなたのためです。
【最後に】
ボイラー技士の受験はここで終わりです。特級ボイラーは、受験資格が厳しいです。1級ボイラー技士も2級ボイラー技士と同じような難易度です。問題は2級より多少細かくて難しいのですが、過去問からの出題が多いのが特徴です。
2級ボイラーに合格された方は、続けて1級ボイラーを受験しても良いかもしれません。一度1級ボイラーに合格して合格通知書をもらえば、実務経験を積み次第いつでも免許にできます。今は試験合格だけでも、いつかは免許になる時がくるかもしれません。