ビルメン4点セット

ネット上ではビルメン4点セットという単語が出てきます。誰が言い出したのか知りませんが、私が知る限り2000年代前半から使われています。

具体的に4点セットとは、電工2種(第2種電気工事士)、危険物乙種4類(乙種4類 危険物取扱者)、2級ボイラー(2級ボイラー技士)、冷凍3種(第3種冷凍機械責任者)の4つの資格です。この記事では、4点セットの資格の難易度や現状について書いていきます。

ビルメンの仕事で使う盤の中身。

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4点セットの難易度と合格率

難易度

管理人の主観に基づいた難易度

資格名 10段階難易度
電工2種 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 4/10 普通下位
冷凍3種 ★★★★☆☆☆☆☆☆ 4/10 普通下位
危険物乙4 ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3/10 やや易
2級ボイラー ★★★☆☆☆☆☆☆☆ 3/10 やや易

管理人の主観による難易度は、冷凍3種>危険物乙4≧2級ボイラー>電工2種の順番です。電工2種は2次試験に実技があるので、その分も考慮すると、冷凍3種≧電工2種>危険物乙4≧2級ボイラーの順だと思います。

難易度は受験者次第です。器用な方なら電工2種の技能試験は難しくないでしょう。ボイラーや冷凍機の仕事をしたことがある人なら、それらの試験は簡単に感じるかもしれません。

上の難易度の表は、すべての資格に対して予備知識なしで私が受験して感じた難易度です。ただ、電工2種を受験する時はすでに電験3種の理論に合格していたので、電工2種の計算問題だけは人より簡単に感じたかもしれません。

冷凍3種の筆記試験だけは、非常にとっつきにくさを感じました。しかし4点セットの資格の筆記試験は、どれも過去問や問題集をしっかり勉強すれば合格可能です。

近年の合格率

資格名 平成24 平成25 平成26 平成27 平成28
電工2種 43.7% 49.0% 45.8% 43.2% 50.7%
冷凍3種 32.8% 34.2% 19.0% 25.9%
2級ボイラー 53.7% 58.0% 56.9% 60.4%
危険物乙4 33.7% 31.8% 28.9% 29.1% 28.4%

※1 第2種電気工事士はおおよその合格率です。
※2 平成28年度分のデータは平成28年7月まで

電工2種の合格率は4割~5割。冷凍3種は2割前後~3割前後。2級ボイラーは5割~6割。危険物乙4は3割前後です。冷凍試験と危険物乙4に関しては、近年難化傾向にあります。

他の資格試験の合格率との比較

他の資格試験では合格率が20%を切ると難関だと感じます。合格率が20%台~30%台くらいで普通の難易度。40%台以上は簡単に感じます。これは受験者の母体によって大きく変わりますが、受験制限がない資格だとだいたいこのような印象です。

電工2種や2級ボイラーは、合格率から見ると簡単な部類の試験と言えます。電工2種は実技があるので勉強に時間がかかります。ただ、時間をかければ合格しやすい試験です。

2級ボイラー技士は、理解しようとすると難しいです。しかし、過去問の丸暗記でも合格できてしまうので、高い合格率になっています。

危険物乙4は、合格率が実際の難易度より少し低いと思います。これは危険物乙4の受験者層が理由だと思います。危険物乙4は、有名な資格なので多くの人が受験します。そのような資格は、合格率が低めにでることが多いです(他の例では簿記3級など)。また、大学などで化学を専攻した人は、危険物乙4は受験せずに危険物甲種から受験するのが普通です。

このような理由から、危険物乙4の合格率は少し低めになっています。とは言っても、最近の危険物乙4は難化傾向にあります。昔言われていたような、「運転免許と同レベルで一夜漬けで合格できる試験」ではなくなってきています。

冷凍3種は、合格率が表すとおりの試験です。最近難しくなっています。冷凍という分野自体が非常に難しく、参考書も少ないです。昔は、過去問を繰り返せば合格できましたが、今は参考書などで勉強する必要があります。

以下ではビルメン4点セットの各資格について考察してみます。

第2種電気工事士

4点セットの中でもっとも重要な資格です。現場の契約で「第2種電気工事士を所持しているものを配置する」という条件があったりします。簡単なコンセント(露出型コンセントを除く)の工事をするにもこの資格が必要です。

4点セットを取得して転職を考えている人は、まずこの第2種電気工事士を取得することを考えましょう。1年に2回上期と下期の試験があります。申込み期間や試験日に注意が必要です。

試験区分 申込み期間 試験日
上期 3月下旬~4月上旬 6月~7月
下期 6月中旬~7月上旬 10月~12月

平成27年度現在のデータですので、詳細はこちらで確認してください。

電工2種の勉強

筆記試験は過去問を勉強するだけで合格できます。筆記に関しては、4点セットのなかで一番簡単だと思います。計算問題もありますが、同じような問題しか出題されません。過去問も公開されていますので、非常に勉強しやすいです。

実技試験は何度も課題を練習するしかありません。今は事前に出題される候補問題が10数パターン公開されています。それを事前に何度も練習する必要があります。独学で取得しようとすると、工具や配線などでお金がかかる試験でもあります。

下は当サイトの第2種電気工事士の記事です。少し違う角度で電工2種の合格方法や勉強方法を書いてあります。

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第3種冷凍機械責任者

ビルメン4点セットのなかで一番需要が低いと言われている資格です。「冷凍3種ではなく、消防設備士をビルメン4点セットのなかに入れるべきだ」と言う人もいます。しかし、どの現場に行っても空調設備はあります。

そういう意味で冷凍の知識は、ビルメンや設備管理で働く方には必要ではないでしょうか。

試験日は1年に1回しかありません。試験日が11月上旬で申込み期間が8月下旬~9月上旬です。年1回の試験なので、受験を検討している方は気をつけましょう。

冷凍3種の勉強

ビルメン4点セットのなかでもっとも難しい資格です。勉強を始めてみると、まず用語が分かりません。ただ、冷凍3種では、細部まで理解しなくても合格できます。

冷凍サイクルをある程度理解できれば合格できます。過去問の類題を拾って、基本的な知識を問う問題に正解していけば合格点には届くはずです。満点を取ろうとすると、難解な公式テキストを理解して覚える必要があります。

下は当サイトの第3種冷凍機械責任者試験の記事です。冷凍3種の勉強方法、難易度、参考書などについて書いてあります。

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2級ボイラー技士

ボイラーの資格を必要とする現場が減ってきています。管理人もまったくボイラーのない現場で働いているので、ボイラーのことはよく分かりません。

試験は毎月開催されています。関東だと千葉県の五井という場所で開催されます。これがまた非常に不便な受験地です。出張試験というのも年に1回行われています。その時だけ埼玉県や東京都でも受験可能です。詳細はこちらで確認してください。

2級ボイラーの勉強

2級ボイラーはとにかく過去問です。基本は冷凍と同じです。細かいことは理解できなくても、過去問を解いて解説を読んで勉強すると合格点に届きます。2級ボイラーは冷凍3種より簡単です。過去問の丸暗記でも合格できるレベルだと思います。

下は当サイトの2級ボイラー技士試験の記事です。2級ボイラーの勉強方法、難易度、参考書などについて書いてあります。

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乙種第4類 危険物取扱者

ビルメン4点セットのなかで、登竜門的な資格です。設備管理やビルメンで一番所持率が高い資格ではないでしょうか。多くの現場には非常用の発電機があり、重油などの燃料を取り扱っています。小さい現場だと、燃料の量が指定数量未満で有資格者が必要ない現場もあります。

ボイラーと同じでいつでも受験できる資格です。各都道府県に支部がありますが、試験の開催頻度が支部ごとに違ってきます。詳細はこちらで確認してください。

危険物乙4の勉強

この資格は過去問が公表されていません。しかし、非常に有名な資格なので、質の高い参考書や問題集がそろっています。それらの本に沿って繰り返し勉強すれば合格できる資格です。

下は当サイトの危険物取扱者乙種第4類の記事です。危険物乙4の勉強方法、難易度、参考書などについて書いてあります。

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最後に

問題はビルメン4点セットを目指して何をしたいかです。職探しのためなのか?資格手当てのためなのか?それとも資格マニアとしての受験なのか?

就職するためなら、あなたが若ければ4点セットをそろえなくても就職先はあります(ただし、都心部に限ります)。4点セットをそろえることより、受験できる資格だけ合格して面接をたくさん受けましょう。資格よりも若さが一番の武器です。

4点セットをそろえて就職して終わりではありません。就職してからも勉強を続けることが重要です。4点セットだけではなく、建築物環境衛生管理技術者(通称:ビル管)や電験3種を目指してもいいかもしれません。

資格マニアが言うセリフではありませんが、目的をしっかり持って資格を受験しましょう

どの資格から受験しようか悩んでいる方は、以下の記事が参考になるかもしれません。

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