設備管理やビル管理では、ほとんどの人が持っている資格です。ガソリンスタンドの従業員が危険物乙4を取得すると、少し時給があがったりします。この記事では、乙種第4類 危険物取扱者の難易度、参考書、勉強方法、管理人の体験談等を紹介していきます。
【受験概要】
【資格名称】乙種第4類 危険物取扱者
【受験年度】平成24年度
【試験点数】全科目 9割以上
勉強時間
期間は2か月間、勉強時間は20時間強。
初めて挑戦した設備・技術系資格です。
受験時の主な所持資格:なし
私は理系崩れなので、化学や物理の基礎知識がありました。勉強し始めはほとんど知識を忘れていましたが、一度覚えたことなので思い出すのは早かったです。
ネットで試験の申し込みをしてから、すぐ勉強を開始しました。期間は1ヶ月~2ヶ月ほどで、1日に20~30分程度の勉強をしました。
危険物の試験は暗記がメインなので、まとまった勉強時間を取らなくても隙間時間に少しずつ勉強できます。その少しの時間の積み重ねで合格可能な資格だと思います。
勉強時間目安
化学初学者
30時間~100時間
中学化学レベル
20時間~80時間
高校化学レベル
20時間~50時間
大学化学レベル
10時間~50時間
【難易度】
★★★☆☆☆☆☆☆☆ (3/10 やや易)
過去の合格率(平成28年7月まで)
※科目免除利用者・未利用者の合計
受験年度 | 合格率 |
平成23年 | 34.0% |
平成24年 | 33.7% |
平成25年 | 31.8% |
平成26年 | 28.9% |
平成27年 | 29.9% |
平成28年 | 28.4% |
平成29年 | 34.4% |
平成30年 | 39.0% |
令和元年 | 39.9% |
乙4以外の乙種、例えば危険物乙種1類などの合格率は7割前後です。それに比べると危険物乙4は合格率が低いです。その理由は二つあります。
一つ目の理由は、科目免除によるものです。
危険物取扱者を受験する場合、まずは一番メジャーな乙種4類から受験する人が多いです。乙種4類に合格すれば、他の乙種(乙種1類や乙種3類)を受験する際に科目免除が使えます。
科目免除を使うと、全35問の試験が全10問で受験できます。勉強する範囲が狭ければ、当然合格率はあがります。
二つ目の理由は、受験者の層が広いからです。
危険物乙4は、受験資格がなく、技術系資格の入門という位置づけなので多くの人が受験します。学校で強制的に乙4を受験させられる学生も多いかと思います。そういう資格は難易度はそれほどでなくても、合格率が低くなります。
近年は参考書が進化して合格率があがってきております。参考書が進化したというより、問題が漏れ…あっ!誰か来ました。
どんな資格でもやる気や勉強量が足りなければ合格できません。やる気と勉強量が十分ならば、どんな資格でも合格できるわけでもないと思います。
人には向き不向きがあります。
乙4が簡単というわけではありません。どの資格にも言えますが、難易度は人によります。
危険物乙4に関しては、引火点、酸化、還元、燃焼等の基本的な化学用語が分かる人ならば、少し問題演習をするだけで合格できるでしょう。
モル計算や (理想気体の状態方程式の変形)と言われてピンと来る人は、物理・化学の勉強はほとんど必要ない可能性が高いです。実際に管理人も物理・化学は、3科目中勉強時間が一番少なかったです。
逆にどれも全く分からない人は、勉強時間を多めにみる必要があるかもしれません。知識がなくても最初に軽く参考書を読んでから問題集を複数回解き、仕上げにネットの模擬試験をこなせば合格点が見えてくると思います。
管理人は、問題集を2~3周解いて、最後にネットで問題演習して試験を受けました。
【受験動機】
受験当時は、設備管理やビル管理とは全く違うバイトをしていました。資格を取って転職しようなんて考えてもいませんでした。仕事で危険物乙4が必要ということもありませんでした。
きっかけはたまたまでした。同僚が資格手当てが欲しいという理由で、危険物乙4の勉強をしていました。それを横目で見ていて、自分も勉強しようかな~と思ったのが始まりでした。月1000円程度の資格手当てにつられて、ここまで来てしまいました。
【参考書】
(1) 乙種4類 危険物取扱者試験 2020年版
危険物乙4の試験実施団体は、消防試験研究センターです。同センターの資格試験では、問題冊子を持ち帰れません。年に何度も同じ試験が行われるので、同じ問題が繰り返し出題されているのだと思います。
その本試験とほぼ同じ問題がのっているのがこの本です。資格試験の勉強の鉄則は過去問演習です。本試験でもこの本と同じ問題がよく出題されているようです。
(2) ネットの無料問題で演習しよう!
ユニバース・リサーチさんのサイトでの模擬試験での勉強がおすすめです。最後の力試しに本番と同じように参考書なしで問題を解いてみましょう。
時間があまったら、サイト(1)、サイト(2)、サイト(3)などの無料で問題演習ができるサイトに行ってみましょう。危険物乙4は、ネット上に無料問題や参考サイトが数多く存在します。1冊も参考書や問題集を買わずに、ネットだけで合格することも可能です。
試しに”危険物乙4 問題”や”危険物乙4 過去問”などで検索をかけてみましょう。
【勉強方法】
問題演習しながら効率よく暗記しよう
危険物乙4の勉強では、聞いたことがない言葉が多いと感じる人もいると思います。アセトンと言われてもほとんどの人はピンときません。そんな物質があるんだ~程度で大丈夫です。灯油や軽油は何となく分かる人が多いと思います。そのレベルで十分です。
管理人は参考書を熟読するなどの暗記勉強はせず、ひたすら問題を解きまくりました。確実に合格したいなら、最低限参考書で太字になっているところは覚えた方が良いと思います。
効率的に合格するなら、特定の物質ごとの引火点、燃焼範囲、比重等の数値を細かく覚える必要はありません。細かい数値は、問題演習をするなかで聞かれた範囲だけ覚えれば十分です。
法令の指定数量や保安距離などは覚える必要がありますが、これらも問題演習をしながらで大丈夫です。どの資格試験も同じですが、参考書にマーカーで線を引いたり、ノートに要点をまとめるなら、その時間を使って問題演習をした方が効率的だというのが管理人の体験談です。
勉強法にも合う合わないはあります。あなたは、学生時代に先生が黒板に書いたことをノートに一度書いただけで暗記できましたか?私の知り合いには一人いましたが、ノートに要点を書いただけで暗記できるのは、ほんの一握りの天才だけです。
危険物乙4の勉強法に関しては、質の良い問題集やネット上の無料の問題を何度も演習する方法をおすすめします。参考書は最初に軽く読むだけで十分です。
次に問題演習をしましょう。問題のパターンを暗記し、問題を解きながら要点を覚えていくのです。そのなかで不安な部分や分からない箇所を参考書やネットで確認していきましょう。その繰り返しで要点を覚えた方が効率的だと思います。
問題演習だけでは暗記できない時もあると思います。問題を解いた時に覚えたい数値や用語があれば、管理人はメモ帳に覚えたい用語や数値を繰り返し書くという方法をとります。書きながら暗記することで効率があがります。
計算問題は難しい人には難しい
計算問題がどうしても苦手な人も多いと思います。
計算問題は捨てても他でカバーできれば合格できるとは思いますが、出来る限り理解できるまで参考書を読みましょう。最後の手段としては、過去問と似た問題が多い乙種4類 危険物取扱者試験で、問題のパターンを暗記してしまうという手もあります。
乙4の計算問題は高校化学の基本を理解していれば難しくないのですが、その基本をマスターするのにかなり時間がかかります。簡単な計算問題はやり方を暗記すれば解けますので、無理に理解しようとせず自己流でやり方を暗記してしまうのも一つの手だと思います。
始めから捨て分野を作るのはすすめません。しかし、何時間も参考書を読んだり、ネットで調べても理解できないなら仕方ないと思います。他の分野でカバーするか、最悪の場合乙4を何回か受験する覚悟をしておきましょう。
危険物乙4は、試験日によって試験問題が変わります。毎回新しい問題ではなくて、同じ問題がいろいろな組み合わせで出題されているようです。試験日によっては、計算問題がほとんど出題されない日もあるそうです。
全体的には、危険物乙4の勉強は暗記が多いです。自分なりにで構わないので、理解しながら暗記していきましょう。そうすると記憶に定着しやすいです。
少しずつで良いから毎日勉強しよう
資格の勉強の経験があまりない人もいると思います。そういう方は隙間時間の10分でも良いので毎日勉強しましょう。昼休みや休み時間だけの勉強でもかまいません。
例えば、今日は「指定数量」の勉強をすると決めて、その部分の参考書を読み、問題を解く。そして間違った問題や分からないところに印をつけるか、紙に記録しておく。
そして次の日に前日分からなかった問題をもう一度自力で解く。それでも解けなければ、また印をつけておく。そして日にちを少しおいて、またその問題を解いてみる。
私が資格勉強をする時は、毎回このような勉強スタイルです。それは難しい資格であっても、簡単な資格であっても変わりません。管理人の勉強スタイルは、以下になります。

危険物乙4が初めて受験する資格試験という人も多いと思います。
危険物乙4はたかが資格の勉強です。それでも私は資格の勉強をすることで、自分のために勉強を積み重ねる感覚をつかむことができました。
高校時代までの勉強は何の役に立つか分かりにくいですが、資格の勉強は違います。資格で学ぶ知識は、仕事や生活に関わってきます。危険物乙4に関して言えば、ガソリンや灯油は身近にあるものです。資格の勉強は、自分の身になる知識を学べるので続けやすいと思います。
危険物乙4はとにかく問題演習
危険物乙4に関しては暗記の勉強が多いですが、ノートに要点をまとめたりする必要はないと思います。その時間でとにかく多くの問題を解いた方が効果的です。非常に有名な資格なので、質の高い問題集がそろっているからです。
問題を解いたら、正解・不正解にかかわらず解説を読みましょう。正解の選択肢はどうして正しいのか?不正解の選択肢はどうして間違っているのかを確認しながら勉強しましょう。
細切れ時間を使って勉強するには、細かくジャンル別にパート分けされた参考書兼問題集を使う方法がおすすめです。乙種4類 危険物取扱者試験 2020年版ならこの勉強法がしやすいので、当記事でおすすめしています。
ポイントは、短時間でも良いので毎日勉強することです。一夜漬けでもなんとかなる人もいますが、そういう人は一握りです。短期集中型の人も余裕をもって1週間くらいは見た方がよいと思います。
【試験本番】
試験本番では、参考書で見たことがある問題が多かったです。中には見たことがない問題もありました。そういう問題でも、しっかり勉強していれば2択まで絞れる場合が多かったです。
当然どうしても解けない問題もあります。そういう問題は多くの人が解けません。危険物乙4は、難しい問題を落としてもしっかり勉強した人は合格点に届くようになっている試験です。
化学の知識がなくてもあきらめない
60歳過ぎの同僚のNさんと一緒に受験しました。Nさんは、文系で物理・化学が勉強しても全く理解できなかったそうです。物理・化学は合格点ぎりぎりの60%での合格だったようです。
全く化学の知識がないからとあきらめる必要はありません。危険物乙4は、何度も問題を演習して出題パターンと要点を暗記すれば必ず合格できる資格だと思います。
【合格後】
当時は資格手当を月1000円もらって喜んでました。燃料の取扱い量が指定数量未満ですと、資格自体が必要なかったりします。
危険物乙4の資格はいまのところ必要ありません。ビル管理や設備管理業界では、危険物乙4の資格取得率が全資格中一番高いと思います。
【その他の危険物取扱者試験】
管理人は平成27年度に危険物甲種に合格しました。甲種と乙種では、物理・化学の難易度がかなり違います。それ以外の法令、性質・消火の科目は少し甲種が難しいです。
甲種を受験する為には、受験資格が必要です。私のような普通科高校卒で危険物取扱の実務がない場合は、最低限4種類の危険物乙種が必要です。
甲種受験に必要な資格 | 私の場合 |
危険物乙種1類または6類 | 乙種1類を平成27年度に受験 |
危険物乙種2類または4類 | 乙種4類を平成24年度に取得済み |
危険物乙種3類 | 乙種3類を平成27年度に受験 |
危険物乙種5類 | 乙種5類を平成27年度に受験 |
危険物乙4の合格者は他の乙種を受験する際、法令15問と物理・化学10問を免除にできます。科目免除を利用すると、性質・消火10問のみでの受験となります。

もし興味がある方は、乙種をそろえて甲種を目指してみてください。どのような資格が将来役に立つようになるか分かりません。危険物甲種は、水素燃料などもあるので、将来使える資格になる可能性を秘めています。

【最後に】
危険物乙4を資格手当てや就職活動のために取得する人もいると思います。若い人で設備管理やビル管理を目指す人は、乙4を取得しただけで面接に呼ばれる確率があがると思います。
また、将来の保険として乙4を目指したり、自己啓発として乙4の勉強をする人も多いかと思います。危険物乙4は技術系資格の登竜門的位置づけです。とりあえずなにか資格の勉強をしてみようという人にもおすすめの資格です。