電験3種のクセモノが法規です。暗記するだけの簡単な科目に感じますが、それは一昔前の話です。今は過去問の演習だけでは合格が難しくなっています。この記事では、電験3種の法規科目の難易度、参考書、勉強方法を紹介ていきます。
【受験概要】
【科目名称】法規(第3種電気主任技術者)
【受験年度】平成24年度
【自己採点】69点
勉強時間
期間は半年間、勉強時間は100時間。
受験1年目に理論の勉強が一区切りついた後、法規の勉強を開始しました。受験前年の平成23年度に法規が難化していました。その難化傾向に合わせてかなり対策をしました。
スマホ用の単語カードを作って隙間時間に勉強していました。その時間は勉強時間として計測していませんでした。なので、実際の勉強時間は100時間よりだいぶ多いと思います。
受験時の主な所有資格:なし
【難易度】
電験三種 ★★★★★★★★☆☆ (8/10 難関中位)
法規科目 ★★★★★☆☆☆☆☆ (5/10 普通中位)
法規の過去の合格率
受験年度 | 合格率 |
平成22年 | 20.4% |
平成23年 | 12.1% |
平成24年 | 9.8% |
平成25年 | 19.4% |
平成26年 | 17.5% |
平成27年 | 20.0% |
平成28年 | 14.2% |
平成29年 | 16.2% |
平成30年 | 13.4% |
令和元年 | 17.7% |
令和2年 | 21.3% |
法規は電験3種のなかで最も計算問題が少ない科目です。点数配分は、計算問題が3割~4割で文章問題が6割~7割です。平成27年までは、計算問題4割、文章問題6割でした。平成28年から計算問題が少なくなり、「法規」らしくなりました。
電験3種は、計算力が問われる資格試験と言われます。暗記科目の法規でも、計算問題ができると有利です。
法規が難化した年の文章問題の中には、市販の参考書を完璧に覚えても正解できない問題がありました。しかし、計算問題は法規が難化した年でも難易度があまり変わりませんでした。
法規の難易度も計算問題の出来次第
結局、暗記科目であるはずの法規も計算問題が出来るかどうかで難易度が変わります。
計算問題は配点の大きいB問題です。計算問題が少なくなった平成28年度でも、計算問題をすべて正解すれば27点得点できます。残りの文章問題を12問中5問正解すれば合格です。
計算問題の出題が4割固定だった平成27年までなら、計算問題を全問正解すれば、残り10問中3問か4問正解すれば合格でした。
管理人は合格率が10%を切った平成24年度に法規を受験しました。A問題はさっぱり分かりませんでしたが、B問題が1問ミスだったおかげでなんとか合格できました。

平成28年から出題傾向が変わりました。法規で計算問題を集中的に対策しても、それだけでは合格が難しくなりました。これからは参考書を使った用語や知識の暗記が必須でしょう。
今はかなり計算問題が少なくなりましたが、計算問題の難易度はそれほど変わっていません。
【参考書】
(1)完全マスター 法規
他の3科目でも「完全マスター」シリーズの参考書を上級者向けの参考書として紹介しています。法規に限って言えば、普通の人にも「完全マスター」をおすすめします。
法規の参考書は詳しさで選ぶべきです。法規は条文や数字の暗記がメインです。参考書に分かりやすさも何もありません。計算問題の部分は、私が使った参考書ではどれも大差ありませんでした。法規の難化にも備えて完全マスターのような詳しい参考書をおすすめします。
非常に堅い参考書で雰囲気が専門書に近いです。他の参考書に比べて読みにくさを感じるかもしれません。ただ、内容の詳しさだけは確かです。
大きな本屋に行けば、このシリーズの参考書が置いてある場合が多いです。完全マスターは勉強する人を選ぶと思います。まず本屋で完全マスターの参考書を手に取って、パラパラと読んでみてから購入を考えてみても遅くないかもしれません。
(2)徹底解説テキスト 法規
徹底解説テキストは、完全マスターより詳しくありませんが、非常にバランスのよい参考書だと思います。簡単な例題を解きながら勉強を進める参考書です。完全マスターは堅苦しい印象があります。こちらの参考書は漫画風なイラストが多く、読み進めやすいかもしれません。
(3)やさしく学ぶ 法規
やさしく学ぶ 法規は、少し参考書としての詳しさという点で不十分な気がします。合格するだけならこの参考書でも十分かもしれません。必要最低限のことがまとめられている印象です。法規が難化することがなければ、このレベルで十分なのかもしれません。
(4)これだけ法規
「これだけ」シリーズのなかで唯一、「これだけ」と感じられる薄さの参考書です。こちらも必要最低限のことがまとめられています。法規が難化すると厳しいかもしれませんが、そうでなければこの参考書で十分なのでしょう。
【勉強方法】
文章問題は暗記するだけです。昔は過去問だけで合格できましたが、今は参考書を読み込む必要があります。管理人は、暗記分野に関しては参考書を使い単語カードを作って勉強していました。単語カードの出来は悪いですが、興味がある方は下からどうぞ。

合格するだけなら、電気設備技術基準などを読み込む必要はないと思います。難化した場合は参考書の知識だけでは対応が難しいです。ただ、その為だけの勉強は必要ないと思います。素直に参考書に載っている知識だけを覚えて合格点を目指しましょう。
難化した時の為に、計算問題の対策はしっかりしておきましょう。法規の計算問題は新傾向の問題があまりありません。過去問や参考書の問題を何度も繰り返し演習すれば、本番の計算問題にも十分対応できると思います。
まずは、知識の暗記に時間を注ぎましょう。計算問題は、電力などと範囲がかぶります。難化した時のために、計算問題の対策もしておきましょう。
最後は過去問で仕上げ
当たり前のことですが、参考書の勉強が終わったら過去問の演習をしましょう。電験3種は過去問と同じ問題は出題されないですが、過去問演習が勉強の中心だと思います。大学電気科卒の人の場合、法規以外は過去問演習だけで合格できるのかもしれませんね。
過去問は上が4教科の10年間分の過去問が1冊に掲載されているもの。通称電話帳です。左1ページに問題が1問、その問題の解説に右1ページをまるまる使っています。非常に勉強しやすいです。下は、法規1科目だけの15年間分のテーマ別過去問です。
11~15 年前というと2000年台前半です。その頃は電験3種が簡単でした。その頃の過去問も演習する価値はあると思いますが、過去問を4教科分購入しなくてはな りません。徹底的に対策したい方は15年間の過去問。あまりお金をかけたくない方は10年分でいいと思います。

最後に
法規は、合格に必要な勉強時間は一番少ない科目です。昔は、「電験3種を受けたけど法規しか受からなかったわ」なんてことがよくありました。
昔は科目合格を狙うなら法規でした。今は過去問を解いただけで法規に合格するのは難しくなっています。参考書を使って知識や用語を暗記していきましょう。