平成24,25年度電験3種 試験本番体験記

電験3種は1年に1度しか受験できない資格試験です。そんな試験ですので、本当にこの試験にかけている人は緊張がすごいはずです。私も2年間にわたり、電験3種を受験しました。

先日自宅の部屋を整理していたら、当時の本試験の問題用紙が出てきました。受験当時のことを思い出しながら、科目ごとの試験本番の感想を書いてみたいと思います。

平成25年度に受験した電験3種の機械と電力の問題冊子。

平成24年度

この年はかなり気合が入っていました。バイト先にも今年度で退職して、職業訓練校に行くと宣言して自分を追い込んでいました。転職するためというより、会社の自分に対する評価が間違っていることを証明するために必死でした。

3月の半ばから勉強を始めました。働きながら半年間勉強しても一発合格は無理だと感じ、1年目は科目合格を目指すことにしました。最初に勉強すべき科目の理論と、勉強時間が少なくてすむ法規の2科目を受験することにしました。

電験3種の科目合格勉強法
電験3種には科目合格という制度があります。この制度をうまく使えば、時間のない人でも電験3種に合格できます。私も働きながらの受験でした。 最初はオームの法則すら忘れていました。当時、バイト警備員だった私には、電気など畑違いもいいところです。電...

電験3種に合格するという努力の方向性が、正しいかどうかなんて考えてもいませんでした。なんとか2科目合格して、自分の勉強法が間違っていないことを証明したい一心でした。

理論

電験3種がどんな試験か分からずに不安でした。試験が始まってみると、意外とスムーズに問題が解けました。ベクトル系の大問の2問と電子分野の文章題以外は自信がありました。

あれ?今年の理論は簡単だな」というのが受験時の率直な感想でした。平成23年度の理論の過去問を解いた時、このレベルの問題が出てきたら苦しいかもと感じていました(H23年度の化理論科目合格率11.9%)。

その心配は杞憂に終わりました。

何度も見直しをする時間があり、自信のない3問以外は完璧な自信がありました。

自己採点と試験後

自己採点は90点。電子分野の文章題は勘が当たり、間違えたのは最後の方のベクトル系の大問の2問。恐らく科目合格率は高いなと感じましたが、18%越えと予想以上に高かったです。

「こりゃ今年の3種は相当合格率が高いな」と午前中は思っていました。その考えは、法規科目の受験後に改めることになります。

法規

当時は難化傾向にあった法規。その傾向に合わせて、徹底的に対策をして試験にのぞみました。さすがに前年の平成23年度(法規科目合格率12.1%)よりは易しいだろうから、これだけ対策すれば万全だろうとタカをくくっていました。

試験開始して30秒。いきなり問題が解けない。正確に言うと、問題の意味は分かります。答えもある程度しぼれます。でも、どれが正解だか分からない状態。

そんな問題ばかりが続きます。

A問題は難しいと感じたので、B問題を解き始めました。B問題はそれほど難化していなかったので、苦戦しながらも何とかそれらしい答えを導き出せました。B問題を解き終えた後、分からなかったA問題を勘でマークしていきました。

自信のある問題数を数えて、「6割は厳しいかも」というのが試験本番中の感想。かなり難しいので50点台でも合格だろうから、何とかなるかもしれないと淡い希望を抱いていました。

法規を受験して、電験3種の理不尽さを感じました。もし法規に落ちていたら、電験3種の勉強を止めようとも考えていました。

自己採点と試験後

自己採点は69点。勘がそれなりに当たりました。B問題は1ミスで、残りの失点はA問題。科目合格率も10%を切り、9.8%。合格点も52点と過去最低でした。難しかったと感じたのは、私だけではなかったのだと思います。

一年目終了

1年目に目標通り2科目合格できた事がとにかくうれしかったです。大きな病気を経験して、勉強のブランクも10年以上ありました。それでも、高校時代の自分の数学的な能力は、そんなに衰えていないんだと自信がもてました。

科目合格してとにかくうれしかったのですが、難関の機械が残っていることに不安を感じていました。そんな不安を払拭するため、1年目の試験日の翌日から2年目の勉強を始めました。

平成25年度

受験2年目になると、とにかく試験に合格することに必死でした。2年目は職業訓練校に通っていました。電験3種に合格しているかどうかで、訓練校卒業後の就職活動に大きな違いが出るのは明らかでした。とにかく必死に勉強していました。

訓練校に登校する3時間前に起床し、1時間半勉強してから登校。訓練校から帰宅後にまた1時間勉強して、1日平均2時間程度勉強していました。

時間があっても、1日数時間勉強すると集中力が切れてしまうダメ人間の管理人。それでも毎日勉強を続けていました。

試験日が近づくにつれて、不安が増していきました。受験直前には、もう腹をくくっていました。電力に関しては自信があったのですが、機械はいくら勉強しても理解できませんでした。ダメなら仕方ないとまで考えていました。

訓練校に通っていたので、落ちてもそのまま就職すればいいやと気楽に考える事にしました。電力は難しくてもいいから、機械を簡単にしてくれ!!と心の底から願っていました。

電力

去年(平成24年)は簡単だったので、去年受験すれば良かったと思っていた科目の電力。平成25年はある程度難化すると予想して、対策していました。

予想通り去年より難しい問題が多かったのですが、それほど苦戦しませんでした。スムーズに問題が解けて、見直す時間が十分にありました。8割くらいは行くなという手ごたえでした。

自己採点と試験後

自己採点は85点。間違えたのは、問8、問10、問16(b)の3問。それなりに難しかったので、去年より合格率がさがるだろうと思っていたら、12.4%でした。

電験3種は、前の年に易しかった科目は難しくなり、逆に前年が難しかった科目はある程度易しくなる場合が多いです。平成25年の電力もその傾向だったようです。

機械

超苦手な機械。前年の合格率が10.0%だったから、今年は易しくしてくれ!と願っていました。

試験が始まってみると、解ける問題と解けない問題が交互に出てくる感じでした。とりあえず分からない問題は飛ばして、最後まで解いてみました。その時点で半分くらいしか解けていませんでした。

こりゃヤバい!と思い、必死に見直しをしてみました。計算問題で自信のない問題(問6)を強引に解いてみたら、出た答えが選択肢にありました。そんな感じで2問くらい正解できました。

6割くらいは行くかな?という出来でした。B問題が比較的簡単だったので、今年は多分易しい年なのだろうと感じていました。

自己採点と試験後

自己採点は75点。間違えたのは、問2、問7、問9、問11、問17(b)の5問。意外と勘が当たっていました

科目合格率は17.1%でした。機械が簡単な年に受験できたというのが、自分が電験3種に合格できた一番の要因だと思います。

二年目終了

合格したことが分かった時は、本当にうれしかったです。私は超進学校出身ですが、当時は勉強が大嫌いで大学受験から逃げました。

電験3種は、私にとって大学入試のようなものでした。一度外れてしまったレールに戻ることはできませんが、生きているうちに努力することの大切さに気付けて良かったです。電験3種に合格した事実より、資格の勉強を通して学んだことの方が自分には大きかったです。

最後に

試験本番での勘を馬鹿にしてはいけません。素人の当てずっぽうの勘ではなく、しっかり受験対策をして勉強した人の勘は意外と当たるんだと思います。

私も最初解いた時は分からなくても、勘で解いてみて正解を拾えた問題がありました。分からないからと諦めてサイコロを転がすのではなく、ひととおり問題を解き終わった後、時間の許す限り考え抜くと正解を拾えたりするものです。

電験3種は、選択式の試験です。多少の実力と運があれば合格できます。完璧に内容を理解する必要はありません。理解しようと努力する勉強こそが大事だと思います。

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