普通救命と上級救命という人命救助のための資格

以前、施設警備員をやっていた時、上級救命という資格を取得させられました。その時は、仕事として嫌々講習を受講していたダメ警備員でした。しかし、今考えてみると、これほど役に立つ資格はないなと思うようになりました。

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意外と他人に冷たい日本という国

有名なエスニック(民族)ジョークに、火災が発生した船でどうすればいろいろな国の人を海に飛び込ませることができるかというものがあります。日本人には「みんなもう飛び込みましたよ」と言うと、海に飛び込むそうです。

そんな民族性のせいかは分かりませんが、日本人は公衆で人が倒れても見て見ぬふりをする人が多いイメージがあります。

そんな時に正しい知識と意志があれば、他人の命を救えるかもしれません。人の命が助かるということは、倒れた人だけでなく、その人に関わる周囲の人の人生にも影響を与えます。

救命講習

一般の人が緊急時に救命処置(一次救命と呼びます)を実行するには、正しい知識が必要です。その知識を得るための講習が救命講習です。講習の費用は安いか無料の自治体が多く、基本的に誰でも受講可能です。

講習の種類は大きく分けて、上級救命と普通救命の2つです。普通救命は細かく分けると、3種類あります。一般の方は、成人向けの救命措置を学ぶ普通救命Ⅰと小児・乳児・新生児向けの普通救命Ⅲのどちらかを受講することになります。

上級救命と普通救命

私は施設警備員時代に上級救命を受講しましたが、あまり理解できませんでした。警備員としてやる気がなかった私にも問題はありましたが、上級救命は救命講習初受講者には少し難しいと言えるかもしれません。

上級救命は救命処置以外に応急手当なども学びます。上級救命は普通救命と比べて、講習のボリュームがあります。その点、普通救命は救命処置を学んだら、講習は8割方終了です。そういう点では、普通救命は上級救命よりかなり簡単です。

上級救命では外傷手当や異物除去なども追加で学びます。一般の方は一次救命の基本である普通救命の受講が出発点になる場合が多いと思います。資格の更新期間は3年です。最初は普通救命を受講して、3年後に上級救命を受講するという形でも良いとのことでした。

上級救命講習って何が「上級」なの?
先日、上級救命講習を受講してきました。普通救命講習は4時間の講習でしたが、上級救命は朝から夕方までの8時間のフル講習でした。...

普通救命講習の受講者は、毎年100万~150万人。上級救命講習受講者数は、毎年約10万人。普通救命講習を受講する人が圧倒的に多いです。

私が今回受講したのは、普通救命Ⅰです。

上級救命と普通救命の資格の有用性

就職活動のために救命講習を受講する方はあまりいないと思います。しかし、上級救命を自分で受講していれば、施設警備員として採用されやすくなると思います。特に高齢者の方で職を探している方にはおすすめです。

上級救命、防災センター要員、自衛消防技術認定の3つが警備員3点セットと呼ばれます。ビル管理(ビルメン)でもこの3点セットを取得しろと会社に言われる場合があります。「設備だけでなく、警備もやれ」という会社からのありがたいメッセージです。

普通救命は、仕事によって受講させられる場合も多いと思います。スポーツジムのインストラクターや学校の先生などは受講される方も多いと思います。今は、救命講習を生徒に受講させる学校もあるそうです。

救命資格は履歴書に書けるか

管理人は、上級救命を履歴書の資格欄に書いていました。個人的な意見としては、普通救命でも上級救命でも履歴書に書いても構わないと思います。

講習を受講するだけで取得できますが、社会的に意義のある講習だと思います。受講したことが評価されるかは分かりません。しかし、面接の場で救命講習の話題がでる可能性はゼロではありません。その時のアピール次第であなたの点数があがるかもしれません。

救命講習の資格の免状

救命講習を修了すると、修了証がもらえます。この修了証は自治体によって違うようです。私が受講した自治体は、普通の紙をラミネートした簡易的なものでした。消防長の印が押してなければ、私でも作れてしまえそうな…

上級救命と普通救命の講習修了書の表面。紙をラミネートしただけのもの。

普通救命と上級救命の講習修了証の裏面。紙をラミネートしただけのもの。

自治体も財政が苦しいということにしておきます。

普通救命講習Ⅰ受講体験記

救命講習の参加者層

救命講習に時間を割く意識の高い方々。平日の昼間にも関わらず、20人ほどが集まりました。男性7割、女性3割で年配の方も多かったです。

職場から受講するように言われて来たという方もいたようです。また、事業所にAEDを導入したいという方も受講されてました。全体的に私も含めて再講習の方が半分くらいでした。

座学はほとんどやらない

資格の講習というと座学のイメージが強いです。しかし、救命講習の座学は非常に短いです。今回受講した普通救命講習では、座学は3時間のうちの1時間程度でした。

最初に話をして映像を30分ほど見てすぐに実技に移りました。最後に受講者からの質問に答えて、修了証を渡して解散でした。上級救命も実技が非常に長く、朝から夕方まで実技です。

胸骨圧迫、人工呼吸、AED

軽くストレッチをしてから、実技に入ります。

なぜストレッチが必要かって?実は救命講習はハードワークなのです(笑)。私は胸骨圧迫をやり過ぎて指の皮がむけました。最後には模範演技までやらされて大変でした。

はい、軽い自慢です。

普通救命のメインは、胸骨圧迫、人工呼吸、AEDの3つです。人が倒れた際、救急隊が来る前にこれらの救命処置を実施すると、倒れた人の命が助かる確率が約2倍になります

具体的には、心臓と呼吸が止まってから、1分以内にAEDを使用すると、約90%の確率で命が助かります。3分以内ですと、約70%。5分以内ですと、約30%まで確率が低下します。

一次救命処置を実施した場合としなかった場合の生存確率の比較。一次救命処置を実施すると生存確率が約2倍になる。

日本では119番をした後に救急隊が到着するまで平均で8分かかるそうです。この間の1分1秒が大事です。一般人が救命処置を行ったことで、救急隊が到着する前に倒れた人が意識を取り戻したなんてことも結構あるそうです。

胸骨圧迫と人工呼吸はセットで行います。人工呼吸は抵抗がある人もいますので、胸骨圧迫という心臓マッサージだけでも構わないそうです。

人工呼吸はコツが必要ですが、胸骨圧迫は難しくないです。しかし、胸骨圧迫は30回で1セットで、1分間に100回のペースが基本です。体力的にキツイです。

AEDは横文字で難しそうなイメージですが、操作は非常に簡単です。人体にパットを貼って電気ショックをする機械です。最近のAEDは、ケースを開けると音声で指示をしてくれるものが多いです。一度でも講習を受ければ、自信を持ってAEDが使えるようになると思います。

公衆に設置されているAEDの例。

胸骨圧迫(+人工呼吸)とAEDをセットにして一次救命処置ということになります。

一次救命処置をやるかやらないかで命が助かる確率が変わります。もしあなたが救命講習を受講していれば、いざという時に大切な人を救えるかもしれません。

最後に

普通救命講習の受講率は、約50%です。まだ、日本国民の半分は、普通救命講習を受講していないということです。まだまだ受講者は少ないですね。

上級救命や普通救命は、いざという時に人の命を救うための資格です。しかし、これらの資格を「資格」と呼んでいいものかと少し考え込んでしまいました。緊急時に救命処置を行うのに「資格」は必要ありません。必要なのは、正しい知識とあなたの意志だけです。

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