昔は冷凍2種と3種の難易度の差がなく、2種から受験する人もいました。近年の冷凍機械責任者試験は難化しています。2種になるとかなり難易度の高い試験になった印象です。この記事では、冷凍2種の難易度、参考書、勉強方法、管理人の体験談などを紹介していきます。
【受験概要】
【資格名称】第2種冷凍機械責任者
【受験年度】平成27年度
【自己採点】法令 90% 保安管理技術 60% 学識 80%
受験資格に制限はありません。資格取得に実務経験も必要ありません。
冷凍3種は、1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設。冷凍2種で300トン未満。冷凍1種は冷凍能力に制限がありません。
ほとんどの施設は冷凍2種や3種で十分です。大規模な施設でも2種で十分でしょう。
有資格者は、一つの施設に最低1人いればいいことになります。責任者の代理者も含めると、2人必要になるかもしれません。このあたりはかなりアイマイです。
合格点
合格点は、各科目6割以上です。
法令で100点を取っても、保安管理技術が50点ならその時点で不合格です。各科目バランス良く勉強する必要があります。
冷凍の講習と検定
講習を受けて検定に受かれば、試験本番では「法令」だけの受験になります。法令科目は、他の科目と比べると簡単です。初めて冷凍試験を受験する人は、全科目受験なら3種、講習を受けるなら冷凍2種をおすすめします。
勉強が苦手という人や資格試験慣れしていない人は、3種の講習からが無難かもしれません。

平成27年度の講習の日時は下表のような感じでした。地域によって実施日程が違います。詳しくは、協会のホームページの講習の予定表・申込先を確認してみてください。
講習経由で資格を取得しても、全科目受験で資格を取得しても同じ資格です。
電験(電気主任技術者)のように免状を見れば、試験合格かどうか分かるという資格でもありません。講習経由で合格した方も法令を受験しますので、全科目受験と同じ試験合格です。
【難易度】
★★★★☆☆☆☆☆☆ (5/10 普通下位)
過去の合格率
受験年度 | 合格率 | |
平成23年 | 全科目受験 | 14.6% |
平成24年 | 〃 | 33.4% |
平成25年 | 〃 | 31.2% |
平成26年 | 〃 | 16.5% |
平成27年 | 全科目受験 | 13.7% |
科目免除 | 84.3% | |
平成28年 | 全科目受験 | 30.2% |
科目免除 | 87.3% | |
平成29年 | 全科目受験 | 30.0% |
科目免除 | 86.9% | |
平成30年 | 全科目受験 | 33.0% |
科目免除 | 84.4% | |
令和元年 | 全科目受験 | 31.3% |
科目免除 | 79.1% |
冷凍2種、3種の両試験とも平成26年度以降難化傾向にありましたが、令和に入り難化傾向はどうやらおさまったようです。平成27年度に関しては、法令だけは簡単でした。保安管理技術と学識は過去最高レベルの難易度でした。
どうしても冷凍2種に合格したい場合は、講習経由(科目免除)を視野に入れた方が無難な気がします。
勉強時間
期間は2か月半、勉強時間は63時間35分。
平成24年に冷凍3種に合格済みです。
受験時の主な所持資格:冷凍3種
勉強時間の目安
勉強時間の目安は、50時間~100時間くらいでしょうか。確実に合格するためにテキストをすみまで読むならば、100時間~200時間くらいは見た方が良いかもしれません。
難易度が低い試験回ならば、過去問だけの勉強で30時間程度でも合格可能でしょう。問題はマークシート式です。勘が当たれば少ない勉強時間でも合格点に届くと思います。
冷凍2種と冷凍3種の難易度の差
以前は、冷凍2種も3種もそれほど難易度に差がありませんでした。今は全科目受験ですと、かなり難易度に差があります。
出題される問題のレベルは、2種でもそこまで難しくありません。問題なのは、2種の科目数や問題数だと思います。
3種の難関は保安管理技術です。全15問で9問(6割)正解する必要があります。一方、2種の保安管理技術は全10問で6問(6割)正解する必要があります。
15問中9問正解と10問中6問正解では1問に対する重みが違います。一般的に全体の6割で合格の試験は、問題数が多いほど難易度が下がります。問題が多ければ多いほど解ける問題も多くなりますし、多少のミスが許されるからです。
2種も3種も法令はそこまでの難易度ではありません。3種の場合は、保安管理技術を15問中9問正解すれば合格が見えてきます。
一方、冷凍2種では保安管理技術に加えて、学識も全10問中6問正解する必要があります。学識は保安管理技術と同じくらい難しい科目です。この2科目をそれぞれ全10問中最低6問正解しなくてはならないというのは、かなりの難易度だと思います。
以前の冷凍試験は、過去問の類似問題などの簡単な問題が多かったです。今の冷凍試験は、簡単な問題はほとんどありません。そのなかで6割以上正解しなくてはなりません。
【受験動機】
職場の同僚が冷凍2種を受験するというので、自分も受験しようと思い立ちました。前年の平成26年に冷凍試験が難しかったので、平成27年は易しくなるかなという期待もありました。
まぁ、そんなことはありませんでしたがw
【参考書】
(1) 上級冷凍受験テキスト
この本は必須です。この本を購入して、Echolandさんのサイトで問題演習をするという方法が一番コスパが高いと思います。日本冷凍空調学会の図書販売ページ からも購入できますが、手数料などがかかります。一方、ネットショップでは品切れの場合が多かったりします。
令和に入り、上級冷凍受験テキストは公式からしか購入できなくなりました。
(2) 試験問題と解答例
過去問です。冷凍3種は電気書院の過去問がおすすめですが、冷凍2種以上は日本冷凍空調学会の「試験問題と解答例」が安くておすすめです。
1冷~3冷までの過去問4年分が掲載されています。電気書院の模範解答集は過去問5年分が掲載されていますが、値段がこの過去問の倍以上します。
日本冷凍空調学会の図書販売ページ から購入できます。学会や協会から購入すると手数料や送料がかかるので、可能ならばネットショップからの購入がおすすめですが、今は無理でしょうね。
下の電気書院の模範解答集は解説が詳しいのですが、5年分の過去問で4000円超えはチョット…資格に合格するためなら費用は気にしないという方にはかなりおすすめです。
(3) トコトンわかりやすい!第3種冷凍機械責任者試験完全テキスト
初めて冷凍機械責任者を受験する人用の参考書です。初心者が全科目受験するなら3種からがおすすめです。どうしても2種を受験したいけど、冷凍の基礎が分からない人はこの参考書で勉強するのが一番分かりやすいと思います。
管理人は2種受験時に辞書としてこの参考書を使用していました。下手な2種の参考書より分かりやすいと思います(笑)。2種の受験用で特に良い参考書はありませんので、これ以外の参考書はここではおすすめしません。
(4) 図をかいてサクサク解ける学識の計算問題
冷凍2種と1種の計算問題用の参考書です。冷凍2種の場合、計算問題は学識の2問しかありません。最近は試験が難化傾向です。計算問題2問は確実に正解しておきたいところです。
その計算問題専用の参考書です。計算問題が苦手な人や将来的に冷凍1種の受験も考えている人におすすめです。
【勉強方法】
過去問が勉強の中心
合格率10%台前半の平成27年の冷凍2種試験も、基本的に過去問の類題が多かったです。過去問と同じ問題はほぼありませんが、選択肢の一部に過去問の知識が使われていたという問題が非常に多かったです。
市販の過去問ですと、4年分や5年分の過去問演習しかできません。4,5年の過去問演習では絶対量が足りないと思います。過去問演習は、Echolandさんのサイトに載っている問題を隅から隅まで勉強することをおすすめします。
学識の計算問題について
冷凍3種と2種の大きな違いは、「学識」という科目です。学識には計算問題があります。この計算問題は勉強すれば非常に簡単です。なので、絶対に計算問題を落としてはいけません。
計算問題は、過去の類題しか出題されていません。とにかく過去問演習をしましょう。過去問演習の繰り返しで必要な公式を覚えてしまいましょう。管理人は公式を覚えずに計算問題を解きました。そのやり方は以下になります。

計算問題専用の参考書もあります。学識の10問中2問は大きいです。苦手な方は、計算問題専用の参考書で対策してみても良いかもしれません。
法令の勉強
科目免除で法令だけ受験した人の合格率は8割を超えています。法令で不合格になる人は勉強不足だと思います。
法令の勉強では、参考書を購入する必要はないと思います。法令の勉強も過去問が中心です。2種の法令の勉強でも、1種や3種の法令の過去問も勉強することをおすすめします。
法令に関しては、1種~3種まであまり違いがありません。
【試験本番】
試験本番の体験記は、以下の記事にまとめてあります。

【合格後】
冷凍2種になんとかぎりぎりで合格しました。2冷の勉強は3冷で勉強したことの復習になり、冷凍サイクルに対する理解が深まった気がします。
ビルメンの仕事ですと、冷凍3種ではなく冷凍2種の免状が必要な現場というのもあると思います。今の私の仕事ですと、冷凍機械責任者の免状が必要な現場はほぼないと思います。
平成27年4月から施行されたフロン排出抑制法により、私の職場も業務用エアコンの点検を始めました。3ヶ月に一度は簡易的な点検が必要みたいです。
冷凍機械責任者試験の資格は、冷媒フロン類取扱技術者の受験資格にもなります。冷媒フロン類取扱技術者の資格が必要ない職場でも、知識の証明として冷凍試験の資格を受験するのは良い考えかもしれません。
【最後に】
冷凍機械責任者は2種以上だと、ビル管という難関資格の講習の受講資格がもらえます。しかし、現役のビルメンだとビル管講習を受講する時間やお金を考えると一苦労だと思います。ある意味講習を受講するより、試験でビル管を取得した方が早いかもしれません。
それ以外の冷凍2種の特典はないと思います。
冷凍1種まで取得すれば、社労士の受験資格になったりします。そして冷凍1種は大臣免状です。管理人は、次は講習経由での冷凍1種の取得を目指すつもりです。