第2種電気工事士にどうしても合格したい人へ

「食える資格」とよく言われる第2種電気工事士。取得するには、筆記試験と技能試験の両方に合格する必要があります。この記事では、「筆記試験は過去問やって、技能試験は練習すれば受かるよ」だけではなくて、違った角度からも第2種電気工事士について考えてみます。

第2種電気工事士の免状。

【受験概要】

【資格名称】第2種電気工事士
【受験年度】平成25年度
【試験点数】筆記 9割以上 実技 合格

勉強時間

筆記試験の勉強期間は2ヶ月間、技能試験の練習期間は1ヶ月半。職業訓練校の授業でやっただけなので、勉強時間は分かりません。あまり参考になりませんね。

【難易度】

★★★★☆☆☆☆☆☆ (4/10 普通下位)

過去の合格率
※資格試験合格率はおおよその数字です

受験年度筆記試験合格率技能試験合格率
平成23年 63.1% 69.5%
平成24年 58.2% 70.6%
平成25年 62.4% 76.0%
平成26年 59.0% 74.2%
平成27年上期 62.5% 71.8%
平成27年下期 51.6% 67.9%
平成28年上期 65.2% 74.1%
平成28年下期 46.4% 71.3%
平成29年上期 61.0% 71.3%
平成29年下期 56.0% 63.4%
平成30年上期 57.8% 69.4%
平成30年下期 51.8% 64.8%
令和元年上期 70.6% 67.4%
令和元年下期 58.5% 62.2%
令和2年上期 未実施 67.8%
令和2年下期 62.1%

今は電気工事士や職人が足りないそうです。

そういう世の中ですので、第2種電気工事士の有資格者を増やす流れだと思います。もちろん電工2種の合格者全員が電気工事士にはなりません。それが理由かどうかは分かりませんが、ここ20年くらいで試験は簡単になりました。

試験が簡単になっても、受験者の半分以上は不合格になります。私は1年制の職業訓練校の電気系学科に通っていました。そこで第2種電気工事士の対策をして試験に合格しました。その体験をもとに少し考察してみます。

【筆記試験】

私の職業訓練校のクラスでは、第2種電気工事士の筆記試験に落ちた人はいませんでした。クラスの筆記試験の受験者は25人くらいでした。

その25人の中にはさまざまな学力の人がいました。クラスの1割くらいは、中学レベルの数学も怪しく、最後まで電工2種の計算問題がほとんど解けませんでした。

訓練校の筆記試験の勉強法は、ひたすら過去問を解くことでした。計算問題がほとんど解けない人も、最終的には過去問で7~8割は得点できるようになりました。結果、クラスの全員が筆記試験に合格しました。

筆記試験で使用した参考書

訓練校では、筆記試験用の参考書にオーム社の過去問をメインで使用しました。過去問10年分が掲載されており、解説も丁寧で使いやすかったです。電工2種の筆記試験は、過去問を繰り返し勉強すれば誰でも合格できると思います。

分類上は過去問になりますが、過去問の前に写真つきの参考書部分があります。詳しく勉強するなら他に参考書が必要だと思いますが、合格するだけなら過去問1冊で十分だと思います。

過去問どんなものでも大丈夫です。

お金をあまり使いたくない方は、数年前の過去問題集でも十分通用します。

筆記試験に受からない人

筆記試験に受からない人は、過去問の演習が足りない可能性があります。訓練校の先生の昔の教え子に計算問題が全く分からない人がいたそうですが、その人も過去問を繰り返すことで合格できたそうです。過去問を飽きるほど解けば、筆記試験は合格できると思います。

【技能試験】

私の職業訓練校のクラスでは、技能試験に落ちた人が数人いました。技能試験は意外な人が落ちていました。不合格者のなかには、筆記試験が満点近くの人がいました。その人は特に不器用という感じでもありませんでした。それでも不合格になるのです。

クラスで一番不器用な人も技能試験に落ちました。私もかなり不器用ですが、その人は私と比べ物にならないほど不器用でした。その人も訓練校で何度も練習して、合格レベルの作品が作れるようになっていました。でも本番と練習ではやっぱり違います。

技能試験で使用した工具

訓練校では先生が選んだ道具をバラで購入しました。HOZANとかMARVEL製のものを使いました。資格を取るだけなら、セット売りしている工具で十分です。将来的に工具を使って仕事をするのであれば、自分でホームセンターなどに足を運んで購入した方が良いと思います。

必要な工具:電工ドライバ(プラスとマイナス)、電工ナイフ、電工ペンチ、ウォーターポンププライヤー、リングスリーブ用圧着工具(持つ部分が黄色)、スケール、ワイヤーストリッパー(初心者の方はほぼ必須)

技能試験に受からない人

ものすごく不器用な人だと、かなりの練習が必要かもしれません。私は自分が不器用だと理解していたので、何度も練習できる職業訓練校に通いました。

【第2種電気工事士にどうしても合格したい人へ】

電気工事士養成施設

電気工事士養成施設では、学校に通って卒業するだけで第二種電気工事士の資格が取得できます。学校ですので、在職者の方は利用できません。離職者や転職予定の方で雇用保険(失業保険)の受給資格があれば、お金をもらいながら通うことも可能です。

電気工事士養成施設の一覧です。この中で県立高等技術専門校や職業訓練校というのがそれに当たります。専門学校なども入っていますが、学費が高いです。どの学科でもいいわけではないので、そこは学校に問い合わせてみてください。

職業訓練校

電気工事士養成施設以外の職業訓練校もおすすめです。第2種電気工事士の対策をしっかりやってくれますし、技能試験に関しては何回も練習できます。

ハローワークなどに行き「職業訓練校に通いたい」と言えば、地元や民間の訓練校を教えてもらえると思います。訓練校の対象の学科は、ビル管理科、電気設備科、電気工事科などになります。それ以外にもいろいろありますので、興味がある方は訓練校に問い合わせてください。

お近くの訓練校の検索は、こちらのページが便利です。

ビルメンを目指しての職業訓練~入校前~
管理人は、30代前半でビルメンを目指して職業訓練校に通いました。私の当時のビルメンのイメージは、「ビルメンは仕事が楽で資格を取りまくればOK!!」です。 動機が不純です。 まぁ、よくあるパターンだと思います。 結局ビルメンにならず、浄水場の...

電工2種を訓練校で勉強して受験したい方は、訓練校の入校時期に気を付けてください。

これらの学校には、雇用保険がもらえなくても通えます。学費も無料、もしくは有料でも専門学校とは比較にならないほど安い。電工2種の試験が不安だという方は、検討してみてください。無試験で第2種電気工事士が取得できたり、徹底的に資格試験の対策をしてくれます。

昔の私のようにニートや長期無職の方でも職業訓練校に通えます。実際私のクラスにも雇用保険を貰っていない社会人の方もいました。

雇用保険の受給資格がなくても、職業訓練受講給付金という制度もあります。条件があえば、月10万円と交通費が支給されます。”職業訓練受講給付金”という単語で検索してみてください。

在職者訓練

今現在仕事をしていて、電工2種を目指している人も多いと思います。そういう方には、在職者向けの訓練というものがあります。あまり知られていませんが、職業訓練校(ポリテク)が実施している働いている人向けの講座です。

格安の値段で第2種電気工事士などの試験対策講義を受講できます。職業訓練ですが、こちらは働いている方が優先のものです。都道府県によって違いますが、あくまで「優先」の場合が多いです。今現在働いていなくても問い合わせる価値はあると思います。

筆記試験講座

筆記試験の在職者訓練は、何を勉強していいか分からないという人にはおすすめです。独学で分からなくても、先生に教えてもらえば分かるというケースも多いです。計算問題の解き方などは、質問できる先生がいれば理解が進むケースもあると思います。

私が受講した電験3種の在職者訓練では、必ず休憩時間がありました。その休憩時間に先生に質問をする受講生もいました。筆記試験の講座を利用しようとする場合は、ただ講義を聞くだけの受け身の受講ではなく、自分から質問すると良いかもしれません。

本音を言えば、第2種電気工事士の筆記試験は過去問を暗記するだけで合格できます。理解が浅くても、過去問を解きまくれば合格可能な試験です。筆記試験に合格するだけなら、独学で過去問を解きまくるのが一番効率が良いと思います。

技能試験講座

技能試験の在職者訓練は、何年も電工2種講座を教えている先生が作品をチェックしてくれるはずです。非常に役に立つ講座で、しかも民間の講座よりかなり安い!!

調べてみたところ、一部の民間で実施される技能試験対策講座の3分の1以下の費用で受講できます。都道府県によっては、民間の10分の1程度の費用で受講できる場合もあります。ごく少数ですが、一般の講座と同程度の費用がかかる都道府県もあります。

多くの都道府県で電工2種の対策講座が実施されています。申込み期間や実施期間は訓練校により違います。申込み期間は短い場合も多いです。申込み期間が過ぎていても、私ならダメもとで電話しちゃいますが(笑)。

講座の時間数は長くはありません。技能試験講座の場合、工具の使い方などの基本から始めると思いますが、恐らく基礎的な練習にはあまり時間を取れないはずです。特に不器用な方は、自分である程度練習してから講座を利用するのがベターだと思います。

ちなみにある訓練校の電工2種の技能試験講習は、計18時間の講習時間で6700円でした。時間的に全課題を練習するのでしょう。

テキストは指定の市販品を自分で用意する場合が多いです。工具は貸し出してくれるかもしれませんが、どっちにしても受験時は自分で用意する必要があります。材料を用意する必要はありません。講師の人件費と材料代を考えると格安です。

在職者訓練を探す

管理人が全国の在職者訓練についてまとめました。お近くの公共の安い講習(在職者訓練)を探すならば、下のリンクからどうぞ。

【安い】第2種電気工事士の講習・講座【在職者訓練】
第2種電気工事士の安い講習・講座の情報です。 民間が実施する講習は数万円しますが、公共の在職者訓練は無料~と非常に安いです。都道府県によって料金や講座内容が違うので、興味がある方は、ご自身で訓練校に連絡してみてください。 講習を利用する際、...

私が利用したことがある訓練校の在職者訓練のページはこんな感じです。このような訓練校が各都道府県にあり、在職者訓練というものを実施しているのです。残念ながら第2種電気工事士の試験対策講座を実施していない都道府県もあります。

受講を考えている方は、申し込み期間にお気をつけください。

【最後に】

第2種電気工事士は簡単と言われますが、しっかり対策しないと難しい試験です。対策の方法はいろいろありますが、公的な機関が実施するものが安くておすすめです。もちろん、可能な方は独学で合格するのが、費用面を考えると一番良いと思います。

在職者訓練には、電験3種やその他の資格の講義を実施している都道府県もあります。

私は電験3種の在職者訓練を受講しましたが、役に立ったかと問われると何とも言えません。同じ資格を目指す人がいる環境に身を置くというのは、素晴らしい体験でした。少なくともモチベーションのアップにはつながりました。

電験3種の在職者訓練という格安の講習
各都道府県や国が実施している職業訓練というものがあります。主な役割は、離職者が再就職するための技能や知識を学ぶというものです。訓練には、在職者向けの訓練もあり、中には電験3種などの資格の受験対策をしてくれる訓練もあります。 私が受講した在職...

興味がある方は調べてみてください。

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