【消防設備士乙6】合格体験記

乙種第6類消防設備士は、身近にある消火器に関する資格試験です。消防設備士第4類の次に受験者数が多いです。この記事では、消防設備士乙種6類の難易度、参考書、勉強方法、管理人の体験談などを紹介していきます。

消防設備士の免状。

【受験概要】

【資格名称】乙種第6類消防設備士
【受験年度】平成25年度
【試験点数】筆記全体 9割以上 実技 8割

勉強時間

期間は3か月程度、勉強時間は約30時間

受験1年前に消防設備士乙種4類に合格していたので、法令はあまり勉強しませんでした。科目免除も可能でしたが、法令共通は点数が稼ぎやすいので免除しませんでした。

受験時の主な所持資格:消防設備士乙種4類

【難易度】

★★★☆☆☆☆☆☆☆ (3/10 やや易)

過去の合格率 (平成28年1月まで)

受験年度合格率
平成23年33.8%
平成24年37.8%
平成25年35.4%
平成26年42.2%
平成27年38.5%
平成28年37.8%
平成29年37.9%
平成30年40.0%
令和元年37.4%
令和2年42.5%※1

※1 令和2年度は4月~10月までのデータです。

合格率は、毎年3割~4割程度で安定しています。合格率は上昇傾向です。消防設備士の筆記試験はマーク式であまり難しくありません。普通に参考書を勉強すれば6割は取れます。

問題は記述式の実技試験です。こちらは対策方法が限られており、参考書や問題集にも載ってない問題が出ることがあります。合格への鍵は、実技試験を突破できるかどうかです。

個人的に感じた消防設備士乙6の難易度は、2級ボイラーよりやや難しく、冷凍3種よりやや易しいといった印象です。消防設備士第4類の火災報知器よりは、6類の消火器の方がイメージしやすいので勉強しやすかったです。

統計では、乙種の試験のなかでは乙6が最も受験者数が多く、年間2万人弱が受験します。しかし、6類には甲種がありません。甲種も合わせると受験者数が3万人前後の4類がもっとも受験者数が多いです。

【受験動機】

設備管理やビルメンで働く場合、ほぼどの現場にも消火器はあります。資格を使って仕事をする場合もあるのかなと考えて受験しました。

消防設備士を受験する際に注意したいのが、資格を取得すると5年に1度講習を受講する必要がある点です(最初の講習は、資格取得後最初の4月1日から2以内)。講習は全部で4つです。

免状の種類講習の種類
甲種特類特殊消防用設備等
1・2・3類消火設備
4・7類警報設備
5・6類避難設備・消火器

該当の類の免状を所持していれば、その種類の講習の受講義務があります。甲種も乙種も関係ありません。私は乙種4類と乙種6類を持っていますので、警報設備と非難設備・消火器の二つの講習の受講義務があります。

講習は5年に1度ですが、受講手数料が7000円前後かかります。会社が費用を負担してくれたり、資格手当が出る場合は良いですが、そうでない場合は消防設備士の資格取得は計画的に

例えば一番メジャーな乙種 or 甲種の4類を取得したとします。その次に乙種7類を取得すれば、警報設備講習しか受講義務が発生しません。私のように乙4と乙6の2種類を取得してしまうと、警報設備講習に加えて避難設備・消火器講習の2種類の講習の受講義務が発生します。

講習を受講しないと免状が更新できないわけではありません。受講しないとどんどん違反点数がたまります。仕事で消防設備の点検や工事をしない人は、それでも何とかなるのかもしれません。しかし、講習は義務ですので忘れずに受講しましょう。

【参考書】

消防設備士乙4と乙6の参考書。

(1) 消防設備士 第6類 2021年版

試験センターと裏でつながっていると噂の公論出版の参考書です。

載っている問題はほぼ過去問オンリー。

現在の参考書はこれ1択と言っても良いでしょう。

(2) わかりやすい! 第6類消防設備士試験

これ1冊で筆記は合格可能です。ところどころにゴロ合わせがありますが、意外と使えました。普通は参考書のゴロ合わせは使えない場合が多いですが、この参考書は違いました。「警報の字書く~」とかはいまだに覚えてますし、危険物甲種の勉強でも使えました。

これ1冊を隅まで勉強すれば、筆記は100点、実技も8割程度は狙えると思います。

筆記試験の問題数は十分なのですが、実技試験の対策が弱いです。250ページ程度の参考書ですが、実技試験の部分が20ページ程度しかありません。私が知る限り、市販のどの参考書も実技試験の部分が弱いです。確実に合格するためには、複数の参考書をやるべきだと思います。

(3) 本試験によく出る! 第6類消防設備士問題集

上の「わかりやすい!~」の問題集です。消防設備士試験は、実技試験対策として複数の参考書や問題集に目を通すことをおすすめします。なので、この問題集も選択肢としては悪くないと思います。実技試験対策のみの問題集を出せば売れると思うんですけどね~

(4) 直前対策! 第6類消防設備士試験 模擬テスト

模擬テスト形式の問題集です。5回分の模擬試験が載っています。この資格試験の問題は実技試験です。一番上の「わかりやすい~」の参考書を隅までしっかり読めば、実技試験も合格点は取れると思います。

逆に言うと、参考書を「隅までしっかりと」読まないと確実に合格点が取れるまでにはならないと思います。普通に参考書を軽く読んで問題を解くという勉強スタイルなら、多くの実技試験の問題演習をする必要があります。

実技試験の問題演習と最後の仕上げとしてこの問題集はおすすめです。

(5) その他の参考書・問題集

6類消防設備士 筆記×実技の突破研究(改訂5版)

消防設備士乙6は知識問題の暗記試験なので、参考書や問題集にはそこまで差がないと思います。大事なのは実技試験の対策です。私は参考書や問題集を複数購入して、問題演習の数をこなしました。

1冊だけで合格しようとするなら、消防設備士 第6類 2021年版がおすすめです。

問題の数をこなすなら、どの参考書でも良いと思います。消防設備士乙6試験は、私が知らない多くの参考書や問題集があります。大きめの本屋に行って、実技試験の対策ページ数が多い参考書や問題集を選びましょう。

【勉強方法】

筆記試験の法令は、わかりやすい! 第6類消防設備士試験 のゴロ合わせが覚えやすかったです。普段は資格試験の勉強にゴロ合わせは使わないのですが、消防設備士はゴロ合わせが意外と使えた印象が強いです。

計算問題が苦手な方は、筆記試験の機械に関する基礎的知識で最低4割、全5問中2問は正解する必要があります。消防設備士乙種の計算問題は、ほとんどが公式の丸暗記でいけます。無理に理解しようとせず、公式を暗記してしまうのも一つの手です。

基本的に知識の暗記試験なので、問題を何度も解いて知識を記憶に定着させるしかないです。実技試験は、参考書を隅まで読むか、多くの問題を解くかの2択だと思います。

実技試験の一番良い対策としては、実際に実技試験に最近出題された問題を解くことです。それが可能なのは、2ちゃんねるという巨大掲示板の情報です。

2ちゃんねるを毛嫌いしている方もいると思いますが、情報の純度は高いです。Googleで「消防設備士乙6 5ちゃんねる」とでも検索して、スレッドを全部読んでみてください。どうしようもない情報も多いですが、役に立つ情報も多いと思います。

もしくは、こちらのログ速さん(5チャンネルの過去ログをのせているサイト)に頼るのもありです。

【試験本番】

筆記試験は非常に簡単に感じました。

実技試験は、参考書を3冊こなしたのにまったく見たことがない問題もありました。それでもなんとか合格点は取れてるかな~といった出来でした。

管理人は消防設備士乙種4類に一度不合格になっています。その時も筆記は9割前後取れたのに、実技が50%台で不合格でした。消防設備士の肝は実技試験だと思います。

【合格後】

仕事ではほとんど使いません。消防設備の点検も業者が来て行います。業者と少し話をするぐらいで、資格を使って点検したりということはありません。

消防設備士に関しては、会社から資格手当をもらっていません。警備員時代は資格手当を数千円もらっていました。多くのビルメン会社では、消防設備士の資格手当があると思います。月500円でも資格手当てをもらえば、講習の費用は十分ペイできますね。

消火器の知識

他の資格を勉強していく上で、消火器の性質を問われることがあります。危険物試験では、水溶性の危険物には水系の消火器や泡系の消火器は使えないという問題が出題されたりします。

また、職場では電気設備が火災になることもあるかと思います。火災の種類によって使える消火器というのは違います。

仕事や資格勉強としてだけでなく、一般的な知識としても消火器の知識は知っておいた方がよいと思います。

【最後に】

消防設備士乙6は知識を得るために受験しました。ビル管理の仕事ですと、直接消防設備士の資格を使うことは少ないかもしれません。資格を使って仕事をするにしても、点検だけなら消防設備点検資格者という講習で取得できる資格でも代用できます

一般的な知識として、6類の消火器の勉強は役に立つこともあるはずです。そういった意味で非常に勉強になる資格だと思います。

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